口臭の原因

千葉市若葉区のくせ歯科診療室です。

秋も深まってまいりました。11月になるともう今年もあとわずかだと実感しますね。日に日に寒くなってきますので、忙しい年末に向けて健康に気を付けて過ごしましょう!

11月、もう年末

朝起きるとお口が臭いなぁと思いませんか?これは強弱はありますが、誰でも起きる生理的現象です。特に起床時は一日の中でも口臭が強い時間です。

この口臭の一番の原因は口腔内の細菌が食べかすや死んだ細胞を分解する時に発生する臭気ガスです。この現象は生理的口臭と呼ばれます。

では、なぜ起床時に生理的口臭が強くなるのかというと、次のような理由があります。

① 就寝中は口腔内を洗浄・抗菌する役割を持つ唾液の分泌が減る
② 空気を嫌う口腔内の細菌が多いため、お口をずっと閉じている就寝中に繁殖・活動が活発になる
③ そのため、臭気ガスが発生しやすくなる

起床時に生理的口臭が強くなる原因

お口の中をよく見てみると、歯の隙間などに柔らかく白っぽいものが付着していることがあります。これは歯垢(プラーク)と呼ばれ、正体は何億個もの口腔内細菌のかたまりです。そして付着したまま時がたち、歯垢が硬くなったものが歯石です。

また、舌に白く付着している苔のようなもの(舌苔)も口腔内細菌のかたまりです。

また、歯の表面を舌で触るとぬるぬるしていることがありますが、これも細菌が手を組み、強固な膜(バイオフィルム)を作ったものです。

口臭予防には夜寝る前の歯磨きや口腔ケアが大切

歯垢や舌苔も口臭の原因ですので、夜寝る前の歯磨きや口腔ケアをしっかり行うことが大切です。(※舌苔は舌の粘膜を保護する役目もありますので、すべて取り除く必要はありません。ふっくらとしたピンク色の舌にうすく白いものがついているのが良い状態です)また、歯石になってしまったものは歯磨きではとれません。

歯石やバイオフィルムはセルフケアでは落とすことはできませんので、歯科での専門的なケアを受け、これらを取り除くようにしましょう。口臭はもちろん、むし歯や歯周病予防など、お口全体の健康にもつながります。

歯科での定期的なケアは保険診療で受けられますので、お声がけください。

療養担当規則について

当院では、令和6年6月の診療報酬改定に基づき、療養担当規則についてウェブサイト上の掲載を行っております。

当院は、厚生労働省より指定を受けた保険医療機関です。

明細書発行体制

当院では、保険診療を受けられたすべての患者様に、診療明細書を無料で発行しています。不要な場合は受付までお申し出ください。

厚生局に届出済みの施設基準

【基本診療料・外来診療体制】
<歯情報通信>初診料(歯科)の注16及び再診料(歯科)の注12に掲げる基準
<歯初診>歯科初診料の注1に掲げる施設基準<外感染2>歯科外来診療感染対策加算2
<外後発使>外来後発医薬品使用体制加算

【医療DX・ICT関連】
<医療DX>医療DX推進体制整備加算

【歯科技工・補綴・印象関連】
<歯技工>歯科技工加算2
<歯技連2>歯科技工士連携加算2
<歯CAD>CAD/CAM冠及びCAD/CAMインレー

【口腔機能・リハビリ・検査関連】
<歯リハ2>歯科口腔リハビリテーション料2
<口菌検>口腔細菌定量検査
<咀嚼機能1>有床義歯咀嚼機能検査1のイ
<咀嚼能力>有床義歯咀嚼機能検査1のロ及び咀嚼能力検査
<咀嚼機能2>有床義歯咀嚼機能検査2のイ
<咬合圧>有床義歯咀嚼機能検査2のロ及び咬合圧検査
<精密触覚>精密触覚機能検査
<歯筋電図>睡眠時歯科筋電図検査

【手術・処置・特定療法】
<手術歯根>手術時歯根面レーザー応用加算
<口血凝>口腔粘膜血管腫凝固術
<手光機>レーザー機器加算
<医管>歯科治療時医療管理料
<う蝕無痛>う蝕無痛的窩洞形成加算
<補管>クラウン・ブリッジ維持管理料
<手顕微加>手術用顕微鏡加算
<口腔粘膜>口腔粘膜処置
<根切顕微>歯根端切除手術の注3

【地域連携】
<歯地連>地域医療連携体制加算

選定療養費

患者様の希望により、先発医薬品の処方や時間外予約を行う場合、選定療養費が発生します。

保険外併用療養費・選定療養に該当する費用の明示

以下の費用は、保険診療と併用して行う「選定療養」に該当するため、患者様への事前説明と同意を頂いたうえで、保険診療費に加えて差額をご負担いただいております。

・長期収載品の処方(先発医薬品の希望処方)
後発医薬品(ジェネリック)がある場合でも、先発医薬品を希望される際は差額をご負担いただきます。

歯茎に「ニキビのようなできもの」…それって大丈夫?

千葉市若葉区のくせ歯科診療室です。

こんにちは。長い残暑もようやく影を潜め、秋らしくなってまいりました。

今年は秋の味覚の代表格のさんまも久し振りに豊漁とのこと、おいしくたくさんいただきたいですね。

今年はさんまが豊漁です

歯茎に小さなプチッとした膨らみができて、潰れると膿が出て、しばらくするとまた腫れてくる…。そんな不思議な現象に気づいたことはありませんか?

見た目はまるで「ニキビ」のように見えるため、気にせず放置してしまう方も少なくありません。ですが、実はその正体は「フィステル」と呼ばれるもので、歯や歯の根にトラブルが隠れているサインかもしれません。

今回は、フィステルとは何か、その原因や治療法、そして放置するとどうなるのかについて詳しく解説していきます。

◆ フィステルとは何?

フィステルとは、膿がたまった部分から体の外へ出るためにできた「通り道」のことを言います。

歯茎にぽつんとできる小さな膨らみは、その膿の出口なのです。

つまりフィステルができているということは、歯やその周囲に感染や炎症が起きており、体が必死に膿を外に出そうとしている状態ということになります。

一見すると小さなできもので、潰れれば一時的に落ち着いたように感じますが、根本的な原因が解決されていないため、再び膿がたまるとまた腫れてきます。これを繰り返すのが大きな特徴です。

◆ フィステルができる主な原因

  1. 根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)

歯の根の先に膿がたまる病気です。神経を取った歯や、神経が死んでしまった歯に起こることが多く、原因は歯根内部に残った細菌感染です。

治療では、歯の根の内部をきれいに清掃し、消毒を繰り返して膿の発生源を取り除いていきます。

根の治療は時間がかかることもありますが、歯を残すためにはとても重要な処置です。

  1. 歯根破折(しこんはせつ)

神経を失った歯は脆くなるため、強い力が加わったときに歯根が割れてしまうことがあります。割れ目から細菌が侵入し、膿がたまる原因となります。

残念ながら歯根が割れてしまった場合、多くは抜歯が必要です。

ただし、歯の場所や割れ方によっては部分的に保存できることもあります。

  1. パーフォレーション

過去の根管治療で器具が誤って歯の壁を突き破り、歯根に穴があいてしまう状態です。その穴から細菌が入ることで、時間が経ってから膿がたまってしまいます。

穴の位置や深さによっては修復できるケースもありますが、場合によっては抜歯が選択されることもあります。

◆ フィステルを放置するとどうなる?

「痛みがないから大丈夫」「自然に治りそう」と思ってしまう方もいますが、フィステルを放置すると感染が広がり、膿が増えて炎症が悪化することがあります。

最悪の場合、歯を失うだけでなく、あごの骨にまで影響が及ぶこともあります。

また、慢性的に膿がたまっている状態は体にとっても負担です。免疫力が落ちているときには急に強い痛みや腫れを引き起こすこともあるため、早めの受診が大切です。

◆ 治療の流れと予防のポイント

フィステルの治療は、原因を突き止めることから始まります。レントゲンやCTを用いて歯の根の状態を確認し、可能であれば根の治療を行い、歯を残す方向で進めます。

しかし、破折や重度の感染がある場合は抜歯が必要となるケースもあります。

治療後は再発を防ぐために、日頃の歯磨きや定期的な歯科検診が欠かせません。

歯の神経を取った歯は特にトラブルが起こりやすいため、メンテナンスを怠らないことが大切です。

◆ まとめ

歯茎にできる「ニキビのようなできもの」は、実は体が知らせてくれるサインです。

自然に治ることはなく、原因を解決しない限り何度でも再発します。放置せず、歯科医院でしっかり診てもらうことが歯を守る第一歩です。

もし歯茎に気になるできものを見つけたら、早めにご相談ください。

 

くさび状欠損をご存じですか

千葉市若葉区のくせ歯科診療室です。

こんにちは。9月になりましたがまだまだ暑い日が続きます。熱中症に気を付けて、元気に残暑を乗り切りましょう!

歯の根元に水が当たるとしみる…
歯ブラシが当たると痛い…
冷たい風が当たるとしみる…

こんな時、一番初めに思い浮かぶのがむし歯ですが、歯がしみる原因は他にもあります。

みなさんは「くさび状欠損」をご存じでしょうか。

くさびの形は、ホールケーキが三角形に切り分けられたような形です。

くさび状欠損はその名の通り、歯の根元がくさびのようにくぼんでしまうことです。

原因はいくつか考えられますが、

・強い力で歯みがきをしている
・歯ぎしりや食いしばりなどで歯に強い力が加わる
・かみ合わせが悪い

などが挙げられ、歯の根元に強い力が加わっていることが共通点です。

歯ブラシを強く当てていると歯茎が下がりやすくなり、通常歯茎で守られている歯の根の部分が露出して、歯ぎしりなどで強い力が加わると歯が割れたり摩耗しやすくなってしまいます。

発症しやすいのは正面中心から見て3番目と4番目の歯(犬歯とその隣の小臼歯)です。

くぼみが深くなると歯の内面にある柔らかい組織である「象牙質」が露出し、むし歯になりやすくなります。また、知覚過敏の症状も出てきます。冒頭に挙げたような症状が出ていればそれはもうくさび状欠損が進行している状態です。

処置としては、進行度によりますが、くぼんでしまった部分に薬を塗ったり、むし歯の処置でよく使用されるコンポレットレジン(CR)を詰めたり、といったものがあります。特に症状が強い場合は、神経を抜くこともあります。

就寝中の歯ぎしりや食いしばりを予防するためのマウスピースを使用することも有効です。歯科医の診断があれば保険診療が適用できますので、気になる方はまずご相談ください。

 

6月の医院からのお知らせ

千葉市若葉区 くせ歯科診療室 のお知らせページです。

6月10日(火)は、院内のデジタル機器類のメンテナンスのため終日休診とさせて頂きます。

ご迷惑おかけしますが、何卒ご了承ください。

入れ⻭製作の流れ

<千葉市若葉区>のくせ歯科診療室です。

こんにちは。さわやかな春は過ぎ、日本列島がジメジメする季節がやってきました。今年は5月16日に九州南部が梅雨入りしましたが、九州南部が全国で一番に梅雨入りするのは1951年からの統計史上初めてとのこと。例年より2週間も早い梅雨入りだったそうです。梅雨の時期は気圧や寒暖差、湿度などの影響で不調が出やすい時期でもあります。生活リズムを整える、薄暗くなりがちな室内を明るくする、除湿をして部屋の湿度を40〜60%ほどにする、などの対策をしてみましょう。

⻭周病などで⻭を失ってしまった時の対処法として入れ⻭やブリッジ、インプラントなどがあります。お口の中の状況によって適した治療法は変わってきますが、多くの方が利用されている「入れ⻭」の製作の流れを紹介します。

 

1.大まかな型どりをする

お口の大きさや形は人によって違うため、まず、義⻭を作るための大まかな型(印象)を採り、それをもとに精密な印象を採るための個人トレーを作ります。(既成のトレーで精密な印象を採る場合もあります)

2.個人トレーを使用して精密な印象を採る

入れ⻭を製作するのが上下の片方だけでも、上下とも印象を採ります。
*既成トレーと個人トレーの違い
印象採得に使用する材料は印象を採った直後から徐々に変形していきます。印象材の厚みが大きいほど変形も大きくなるので、印象材は薄いほど変形は小さくなります。
個人トレーはその方に合わせた形になっているので、印象材も少なく済み、より精密な模型の製作が可能となり、よりフィットする入れ⻭の製作が可能となります。
既成トレー↓

個人トレー↓

3.かみ合わせを確認します

精密印象をもとに作成された模型を使用し、上下、前後、左右のかみ合わせを確認します。

4.試適を行う

顎堤の部分がロウでできた仮の入れ⻭を試着していただき、その方のお顔やお口の中との調和がとれているか、かみ合わせは良いかなどの確認をします。

5.セット

完成した入れ⻭を患者様のお口に入れ、調整を行います。以上が一般的な流れですが、それぞれの間に1週間ほど必要なため、入れ⻭の作成には1か月程度は必要になります。
セット後、痛みが出てきた、ゆるくなってしまった、などの場合は⻭科医院で調整が可能です。また、毎日のお手入れがとても大切です。正しいお手入れの方法もお伝えしますので、わからないことがあればお気兼ねなくご相談ください。

 

高齢者のお口の機能低下

千葉市若葉区のくせ歯科診療室です。

みなさんこんにちは。新緑が美しい季節になって参りました。外に出るのが一番気持ちいい季節ですね。

高齢になると体に少しずつ不調が出てくるものですが、お口も例外ではありません。こんなことに心当たりがある方はいませんか?

・口が乾きやすくなった
・食事の際に食べこぼしが多くなった
・むせやすくなった
・飲み込みにくくなった
・食事に時間がかかるようになった
・食べ物が口に残るようになった
・発音や滑舌が悪くなった
・口臭が強くなった

このような症状は「口腔機能低下症」という、お口の機能が低下している状態です。

◎唾液分泌量の減少
唾液が減少すると「話しづらい、食べにくい」など、日常生活に影響が出るほか、お口の中の細菌が増殖しやすい環境となるため、口臭が強くなったり、歯周病やむし歯のリスクが高まり、それに伴って歯を失うことがあります。咀嚼機能に影響が出て、硬いものが食べづらくなり、柔らかいものや食べやすいものを中心に食べるようになり、栄養が不足したりバランスが崩れやすくなります。

◎舌や唇の動きの低下
唾液分泌量の低下に加えて舌や唇の動きの低下があると、はっきりとした発音や、スムーズに話すことがさらに難しくなります。

また、お口の中で食べ物を動かしたりまとめたりすることが難しくなり、お口の中に食べ物が残りやすくなったり、飲み込むことが困難になります。

◎社会参加の減少
食事や人との会話が難しくなってくると、人と交流することが億劫になり、外出が減ることにつながります。

また、歯が少なくなったことにより、見た目を気にして人に会いたがらない方もいます。外出や散歩などの適度な運動が減っていき、徐々に筋力が低下してしまいます。

口腔機能低下症はお口の中の問題だけで済まず、身体や心の健康、認知機能の低下、社会とのかかわりにも影響を及ぼす重大な問題です。

口腔機能低下症の検査は歯科医院で受けることができます。ご自身やご家族に心当たりがあるようであれば、まずはご相談ください。

喫煙と⻭周病

千葉市若葉区のくせ歯科診療室です。

桜の花画像

こんにちは。4月になり、新年度を迎えました。

桜前線が北上中ですが、みなさんはお花見のご予定はありますか?短い春を満喫しましょうね。

 

タバコを吸うと、有害成分がお口の粘膜や歯茎から吸収されます。

その成分により血管が収縮し、血液循環が阻害されると歯茎に酸素が十分に行き渡らなくなります。

歯周病の原因になる細菌が増えやすい状態なり、歯周病の進行が早くなります

さらに、血管が収縮した歯茎からは出血や腫れという歯周病のサインが現れにくいのも特徴です。

喫煙と⻭周病・血管に及ぼす影響

歯周病は口臭が強くなったり、歯が抜けてしまう、といったお口の中のトラブルだけでなく、身体のいたる所に影響を及ぼす病気です

近年使用されている加熱式タバコも紙巻きタバコと同様にタバコの葉を使用しており、同様のリスクがあります。

電子タバコはタバコの葉は使用されていませんので、紙巻きや加熱式タバコとは異なりニコチンやタールは含まれない、という違いがあります。

しかし、ある研究によると、電子タバコ利用者の口内には、非喫煙者よりも歯周病を進行させる菌の割合が多かった、という結果が出ています。タバコの種類にかかわらず、禁煙をするように心がけることが大切といえます。

喫煙と⻭周病・病気

また、喫煙者は歯周病治療の成果が出にくいものです。歯科では適切なアドバイスや治療も行うことができますので、お気兼ねなくご相談ください。

舌をよく見てみましょう

千葉市若葉区のくせ歯科診療室です。

こんにちは。3月になると少しずつ春めいて来て、気持ちも明るくなってきますね。厚いコートを脱げるまであと少し、体調に気をつけて過ごしましょう。

みなさんはご自分の舌をよく見てみたことはありますか?
正常な舌は次のようなものです。

  • 淡い紅色
  • うっすらと白い苔がある
  • 潤いがある
  • ふっくらとして舌全体が前歯の裏に収まる大きさ

もし、次のような様子が見られたら要注意です。

①白いものが付着している

お口の中に普段からいるカンジダ菌が、薬や病気、免疫力の低下、唾液量の減少などの影響で異常に繁殖した状態です。

舌だけでなく、口腔内に点状、線状のものが付着します。拭い取ることができますが、粘膜は赤く、痛みを伴います。

②まだら模様

舌の表面にクレーターのように模様が現れた状態。多くは幼児に見られます。ビタミンB不足やアレルギー、ストレスなどからくると言われていますが原因は不明です。

特に痛みなどの害もなく、治療方法もないため、自然に治るのを待ちます。

③ひび割れている

病気ではなく、先天性のものがほとんどですが、水分不足やドライマウスなどで起きることもあります。急にひび割れた、急激な唾液量減少、痛みがある等がみられる場合は注意が必要です。

その他にもこのような症状がみられることがあります。

  • 舌のふちがデコボコしている
  • 赤みが強い
  • 紫色になっている
  • 舌苔が黒い、黄色い

舌は身体の状態をよく表すと言われます。毎日の歯磨きのついでに舌を見てみましょう。

表面だけではなく、舌の裏側も見るようにしてください。痛みが伴わないものでも重大な病気が隠れていることがありますので、上に挙げている症状以外でも気になることがありましたら自己判断せず、歯科を受診してください。

細菌とウイルスの違いと感染症予防

千葉市若葉区のくせ歯科診療室です。

こんにちは。昨年末からインフルエンザが猛威を振るっています。

冬はさまざまな感染症が流行る季節ですが、「感染症」といっても、原因が「細菌」や「ウイルス」によるものがあります。何となくは知っていてもどのような違いがあるのかよくわからない方が多いと思います。

◆「細菌」…抗生剤が効く

地球上で数千種類確認されている単細胞生物です。栄養源があれば自分と同じ細菌を増殖させて増えていきます。人間や動物の体でも皮膚や気道、口腔内、尿路、消化管等、体内外にも存在しており、多くの場合は特に何の害を起こすこともありません。

ですが、病気を引き起こすいわゆる「病原菌」になるものもあります。細菌が原因の病気で一般的に知られるものとしては

・食中毒 ・結核 ・肺炎 ・膀胱炎 ・破傷風 ・百日咳 ・梅毒 ・腸チフス 等

があります。

◆「ウイルス」…抗生剤は効かない。抗ウイルス剤はまだ少数

細菌よりもさらに小さく、自分で細胞を持たないため、体内に入ると、他の細胞の中に入り込んでその中で自分のコピーを作って増えていきます。ウイルスが原因の病気で一般的に知られるものとしては

・インフルエンザ ・新型コロナウイルス感染症 ・ノロウイルス感染症 ・ヘルペス
・はしか ・風疹 ・水ぼうそう ・おたふくかぜ ・肝炎 等

があります。

むし歯や歯周病は細菌によるものです。お口の中がヌルヌルした感じになることがありますが、これはバイオフィルムと呼ばれ、細菌ががっちりスクラムを組んだ状態で、その内側でむし歯や歯周病などの病原菌を増殖させてしまいます。

特に歯周病菌が炎症を起こした歯肉から血管内に入ってしまうと糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞など、全身のさまざまな病気のリスクが高まります。

バイオフィルムは日常の歯磨きでは取り除くことができませんので、歯科で専用の器機を使ってバイオフィルムを取り除く処置(PMTC)を定期的に受けることが大切です。

 

インフルエンザや新型コロナウイルスなど、感染症予防の基本は「手洗い」「マスク着用」「咳エチケット」です。新型コロナウイルス感染症の流行期に取り組んでいたことを今一度確認して、感染症から自分や周囲の人を守りましょう。お部屋のこまめな換気や加湿も大切です。

出典:国民の皆さまへ |厚生労働省